ボジョレーヌーボーとは?
普段あまりワインを飲む習慣がない人でも「ボジョレー・ヌーボー」だけは飲む、名前を聞いたことがあるという人も多いと思います。でも、どんなワインのことなのか、詳しく知っている人は少ないかもしれません。
ボジョレーヌーボーとは、「フランスのブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区で、その年に収穫したブドウを収穫してから40~50日で醸造した、新酒のワイン」のことです。
一般的な赤ワインはブドウを潰してから発酵させますが、ボジョレーヌーボーの場合はブドウを潰す前に密閉タンクに入れて、加熱・温度コントロールをすることで、アルコール発酵させてから造られる点に違いがあります。その後は、通常の赤ワインと同じような工程で果汁を搾って、酵母を加えてアルコール発酵させ、澱を引いて、濾過をして、瓶詰めして出荷されます。
ボジョレーヌーボーを名乗れる5つの条件
ボジョレー地方で採れたブドウで造られたワインは、全てボジョレーを名乗ることができますが、AOC(原産地呼称統制)と呼ばれる法律の認証制度によって4つのランクに分けられています。ランクが高い方から順に、クリュ(特定の畑)>ヴィラージュ(特定の村)>シュペリュール(特定の地区)>無表記(ボジョレー地方全域)となります。
そして、ボジョレーヌーボーを名乗るには、次に挙げる5つの条件を満たしたワインであることが定められています。
- フランス・ブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区で造られていること
- その年に収穫されたブドウを使っていること
- ブドウ品種はガメイ種であること
- ブドウを破砕せずにそのままタンクに詰めて自然発酵させる「マセラシオン・カルボニック」によって造られていること
- アルコール度数は、9度以上あること
ちなみに、ボジョレーと名乗ることができるワインは、赤はガメイ種、白はシャルドネ種と法律で定められています。白は全体の約1%の生産量とかなり希少。ただ、ボジョレーヌーボーは赤とロゼに限定されているため、白は存在しません
ボジョレー・ヌーボーが注目される理由
ボジョレー・ヌーボーは、収穫後にすぐに飲めるワインの新酒として、世界中で人気です。解禁日はお祭り騒ぎで、「ボジョパ」と呼ばれるパーティーをはじめとした様々なイベントが開催され、話題となります。フレッシュな味わいで渋みが少なく、口当たりが軽いことから、気軽に楽しめる雰囲気があるのも魅力ですね。
特に、日本では時差の関係で、ボジョレー・ヌーボーを積極的に飲む国の中で最も早く解禁日を迎えることもあって、他の国以上に盛り上がる傾向が見られます。秋の風物詩として楽しみにする人も多く、日本への入荷量は世界でもトップレベルです。
なぜボジョレーヌーボーに解禁日があるの?
ボジョレー・ヌ―ボーは、もともとボジョレー地区のブドウの収穫を祝うために造られていたワインで、地元の人々がデイリーワインとして飲んでいたものです。収穫したてのブドウを使ったフレッシュなワインを飲めると評判を呼び、やがて世界で注目を集めはじめます。
そして、売り手たちが我先にと、いち早く出荷しようと競った結果、質の悪いワインも多く出回るようになってしまいました。ボジョレーの評判が落ちるのを防ぐため、1967年にフランス政府は解禁日を定めることにしたのです。
毎年11月の第3木曜日が解禁日
初めは、ボジョレー地区の新酒ができあがる時期に合わせた11月11日でしたが、後に15日に変更されました。しかし、フランスでは日曜日は運送業者やワインショップ、レストランが休業になるので、解禁日を日付で決めると年によって曜日が変わります。
これでは出荷スケジュールや売れ行きに影響が出る可能性があると考えたフランス政府は、1984年に解決策を考案します。
休日に重なった場合に流通がストップするのを避けるため、1984年より現在の解禁日である11月の第3木曜日の午前0時と定められました。
ボジョレーヌーボーを最高に美味しく飲むには?
ボジョレーヌーボーはフレッシュさが魅力なので、購入したらできるだけ早めに、年内に飲むのがおすすめです。
また、一般的な赤ワインは18℃前後が飲み頃の温度だとされますが、ボジョレーヌーボーは12~13℃程度を目安に冷やして飲むと美味しいです。香りが弱めなので、飲み口がすぼまった形をしている、空気に触れる面積が少ないワイングラスを選ぶと良いですね。
カマンベールチーズや生ハムなどはもちろん、フレッシュな野菜を使った料理と合わせるのがおすすめです。
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まとめ
ボジョレー・ヌーボーの歴史や特徴など基礎知識をご紹介しました。普段はワインをあまり飲まない人でも飲みやすい赤ワインなので、あまり難しく考えず、年に一度のお祭りとしてぜひ気軽に楽しみましょう。